昨今、「X-Tech」というキーワードが世間の注目を集めている。
X-Techとは、既存の技術とITの技術を融合させ、さらに便利にしたり、問題を解決したりすることを目指す取り組みだ。(★そのX-Techの種類や使用されているIT技術など、基本的な情報についても確認しておこう)
このX-Techが注目されてきた経緯には、いくつかのポイントがある。
1つは、長年日本で言われ続けていたIT化が、新型コロナウイルスのまん延によって、かなり強引にではあるが加速したことが考えられる。
新型コロナウイルスの流行は世界中に打撃を与えると同時に、日本企業にテレワークの必要性や有用性を認識させた。それにより、日本はIT化の重要性を以前にまして認識し、様々な企業がテレワークを導入する中で、自社ビジネスとITの活用を考え始めたのである。
加えて、いま日本が抱えている問題が、必ずしも人力で解決できるレベルではないことも認識されつつある。
たとえば、農業に従事する専業農家の人数は年々減少しているが、それに対して農家の数を増やそうとするのは、もはや現実的な手段ではなくなってきた。少子高齢化が加速しているために、どの業界も人材不足で、仮に農業に労働人口を割いたとしても、それ以外の業界の負担が増加してしまう。
そこで必要なのは、労働人口の増加ではなく、労働の効率化である。労働者の数が減少しているのであれば、少ない人数で同じ、あるいはそれ以上の仕事をできるように、どの業界も効率化する必要がある。その手段の1つが、IoTやAIといった高度なIT技術を活用するX-Techなのだ。
ある種AIと人間で分業体制をとり、どんな場所でも、どんな仕事でも効率的に行えるようにするのが、X-Techに期待されていることなのである。