「VR」、あるいは「メタバース」という言葉を耳にしたことはあるだろうか。
一般にそこまで広く浸透しているとは言い切れないが、これらの概念は今後の日本を大きく変える可能性がある。
まず「VR」とは「Virtual Reality」すなわち「仮想現実」を指し、まるで現実のように感じることができる仮想空間のことを指す。
対して「メタバース」とは、仮想現実の空間において、複数の人間がコミュニケーションを取ったり、自由に行動したりできるような世界のことを指す。
「個人の体験か複数人で共有できる体験かを問わない仮想現実」であるVRと、「VRかどうかを問わず、ネットワーク上に複数人で共有する世界」というメタバースは根本的に違う概念となる。
だが、それぞれが昨今のIT業界のトレンドであることは疑いなく、それぞれに適応したエンジニアが求められていることもまた確かである。
まずVRはゲームやアニメといったエンタメ分野でもさることながら、例えば遠隔地にいる患者を目の前にいるように見ることで、より正確な診断をする、あるいはロボットのカメラと司会を共有して手術するといった応用も可能だ。
一方でメタバースは、VRと同様にエンタメへの利用がすぐに思いつくが、それだけではない。
メタバース上の仮想通貨、あるいは仮想世界でのアバターに着せるファッションなどには大きなビジネスチャンスがあり、文字通り「現実のような」経済活動が行われる可能性もあるほか、そういったメタバースそのものを開発することに期待する企業も複数ある。
ITエンジニアはこういった流行を敏感にとらえ、自分の才能を磨く嗅覚も必要になるのである。